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誰かが苦しさを感じなければならない

誰かが苦しさを背負わなければならない

そういう人が必要なんだと思った

みんなが幸せだったら、一体だれが苦しさの役目を背負えばいいのだろう

誰が引き受けるのだろう

みんながみんな、幸せの方向へと進んでいったら、そっちのほうに、軸が傾くんじゃないのか

やじろべえみたいに、どっちかにばかり重さが加わっていったら、そのうち本体そのものがくるっと反転してしまうんじゃないのか

地が、くるっとまわってしまうんじゃないのか

前のめる人がたくさんいる一方で、その後ろで、どっしりとかまえてないといけない人たちだっているんだ

みんなが前のめっていったら、傾くだろう

崩れるだろう

地が

空間が

物理的にも、精神的にも、そうなんじゃないのか

だから、前へ前へいく人たちがいる一方で

後ろへとどまる人だってその分出てくるんだ

何かを勝ち取ろうとしたり、進んで明るく向かおうとする一方で

後ろで引きこもって、前へ出ないように、全体が傾かないように、そういう重しの働きをするものだってあるんだ

そんなふうに、世界は均衡をたもっているんじゃないかと思った

じゃあ、すべての人が幸せになることはできないのだろうか、とかそういうことは正直よく分からない

そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない

すべての人が幸せになることだってあるかもしれない

でもそこには、やっぱり、一番前と一番後ろとで差があって、その差で均衡を保つようになるんじゃないかと思う

総体や全体的には豊かさや幸せの度合いが増していっても

きっと同じだけの強さにはならないんじゃないかな

すべてが同じだけのものをもつというときは、それこそ本当にすべて平均通り、すべて同じ値、度合いになって、差もなくてっていう、そういうときになると思う

そういうふうに、なっているんじゃないかなと思った